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【けん玉】一周系に関する案


私には、けん玉の技名について、思うところがある!

特に一周系!

日本一周とか世界一周とか、いろんな技があるけど、

技名のネーミング、問題ありすぎじゃない!???


ということで、今回は、私がバカリズム氏になった気持ち*1で、「一周系に関する案」として、

現在の一周系の矛盾を突き止めてみます。

しかし… ここがおかしい! と指摘することだけにとどまらないのが本ブログのディープ(変態!?)なところ。

では一体どうすればいいのか、という解決策にまで突っ込んで、考えていきたいと思います。

現状把握 ~現在の一周系~

一般的な一周系の技名について紹介していきます。

ここでは、けん玉検定や、大会に用いられている一周系トリックを中心に、けん玉界に一般的に受容されている一周系について取り扱うこととします。

難易度の低いと考えられる技から順に紹介していきます。

大事なことなのでもう一回言いますが、”難易度の低い技から” 、”順に” 紹介します。

村一周

大皿~けん

まあ、市町村は行政の最小単位ですからね。村からスタートするのは納得です。

県一周

中皿~けん

市町村の1つ上の行政単位は都道府県ですもんね。これも納得です。

日本一周

小皿~大皿~けん

都道府県がいっぱい集まって、日本という”国家”になっていますもんね。

世界一周

小皿~大皿~中皿~けん

おいおい、ちょっと待てよ。もう”世界”なんて広い単位を出してきちゃって、大丈夫なのか?

ヨーロッパ一周

小皿~けん~大皿~けん~中皿~けん

ほらぁ~、不安が現実のものに。。。なんで”世界”一周より難しいのに”ヨーロッパ”一周なんだよ…

小さくなっちゃってるじゃん。

宇宙一周

とんぼ~けん~小皿~けん~大皿~けん~中皿~けん

突然の宇宙。ヨーロッパから突然スケール広がり過ぎ!

っていうか、世界一周と宇宙一周が別の技とされているから、”世界”と”宇宙”は違う概念ということっぽい。世界一周の”世界”は「地球」のことを表しているってコト? よく分からん。

この段階でもう「宇宙」なんていうスケールを使っちゃって、宇宙以上の大きさは表せるの?

USA一周

小皿~けん~地球回し~大皿~けん~地球回し~中皿~けん~地球回し

なんでスケールが戻っちゃうの!??????

日本→世界→宇宙 と来ていて(ヨーロッパは挟んだけれども)、なんで突然二段階下がってまた国家レベルに戻っちゃうの?

なんで戻っちゃうの?

もう…

銀河系一周

とんぼ~うぐいす~小皿~うぐいす~大皿~うぐいす~中皿~うぐいす

もうマジどうして!?

宇宙よりもスケール小さくなってますやん。

銀河系は太陽系を含む(宇宙に数多ある銀河のうちの1つである)銀河を指す言葉なんですけど…

宇宙は多数の銀河や、銀河が存在しない空間によって構成されているのに…

いやおかしいよ…

時の支配者

とんぼ→うぐいす→回転うぐいす→小皿→うぐいす→回転うぐいす→大皿→うぐいす→回転うぐいす→中皿→うぐいす→回転うぐいす→回転谷渡り→回転けん

何故に「時」!? 違う概念来ちゃったんだけど?

時間は宇宙発生以前からあったのかとか、そもそも時間というものは宇宙空間に存在しているのかとかっていう話になってくると、超難しそうな学術書を何冊も読まないといけなさそうなので、時の概念が他の一周系のスケールと比べられるのかというのは一旦置いておきます(置いておかせて下さい)(懇願)

デンマーク一周

大皿~けんフリップ小皿~さかおとし~はやて中皿~ダウンスパイク

と゛う゛し゛て゛そ゛う゛な゛る゛の゛ぉぉぉぉ!!!!

これまで天文学的なスケールだったじゃん。なんで突然国家単位に戻っちゃうの?

もう無理。。。


整理 ~難易度とスケールの比較~

ふぅ。

これが、現在の一周系の現状です。

ヒドいですよね…


難易度

現状の技の難易度と技名を、図にしてまとめてみました。

やっぱり順番おかしくね?

技の系統ごとに分けると難易度としてはこんな感じになると思います。

うん、絶対おかしい。

高難易度の一周系は、静止系とジャグ・フリップ系に分けられると考えます。

静止系は銀河系や時の支配者など、

ジャグ・フリップ系はデンマーク一周や(本稿では言及していませんが)中百舌鳥一周などが該当しそうです。

静止系とジャグ系・フリップ系の難易度の比較は難しそうです。

実は、高難易度の一周系トリックの難易度順を決めるのに少々かなり悩みました。

個人的には、「時の支配者」と「デンマーク一周」が同じくらいの難易度かなと考えています。(時の支配者は難しいですが、一定以上のプレイヤーなら「出来る」動きを連続させただけの技。一方、デンマーク一周はなかなか使わない動きをしなければならないので、メイクするのに練習が必要になります。)

ここでは便宜的に、銀河系一周→時の支配者→デンマーク一周の順に難しいものとしています。

スケール比較

ここで、各技名のスケールをまとめました。見てみましょうか。こちらです。

現在一般的な技名面積(およそ)大きい順
村一周??
県一周??
日本一周37万 km²6
世界一周5億km²(地球全体)3
ヨーロッパ一周1080万km²4
宇宙一周137億光年?1
USA一周983万km²5
銀河系一周10万光年2
時の支配者??
デンマーク一周4万km²7

(技の並びは、下に行くにつれ難しい(と考える)技になっていく。世界一周の面積に地球の面積を採用している理由については後述。)

現在の一周系トリックの命名の惨状がよく分かります。


現状の一周系ネーミングの問題点

現在一般的に使用されている一周系トリックのネーミング(=上記で紹介したもの)の問題点と、その対処法について考えます。

問題点

技名で示すモノの物理的な大きさが前後している (世界一周よりヨーロッパ一周の方が難しい、など)
→おそらく、技ができた時期や考案者の短絡的なネーミングセンスによってこの問題が生じていると考えられるため、ここで技を整理し、難易度順に物理的な大きさが大きくなるよう並び替える。


村、県などは(行政の)単位であるのに対し、日本、USA、デンマークなどはそれぞれ特定の国家の名称であり、若干違和感がある(行政単位に合わせるのであれば、日本一周やUSA一周は「国一周」となるべきだし、特定の名称に合わせるのであれば、県一周は「広島県一周」などとすべきではないか?)
→ここでは、日本一周という非ダマーの中でも知名度も高い技名を生かすため、特定の場所の名称を使う方針とする。


世界一周の”世界”概念(世界=宇宙全体、という意味なのかどうかということ)
→現在「世界一周旅行」と言えば一般的に地球を巡る旅行のことを指す。しかし、例えば他の星に行くことが一般的となったら、世界一周は宇宙旅行も含むようになるかもしれない。こう考えると、”世界”とは「人間がその段階の一般的な技術で到達可能な範囲」を指すと考えられる。となると、けん玉の技の世界一周でいう”世界”は、(今のところは)地球全体を指すものと考えてよいのではないか。よって、ここでは曖昧な”世界”という言葉ではなく、”地球”という言葉を使う方針とする。


異端児「時の支配者」
→「時の支配者」という名称は廃止し、物理的な大きさで技の難易度を表わす命名方式に統一する。


一周系ネーミング案(仮)

ここからは、私の考えた一周系トリックのネーミングです。

難易度が高くなるごとに、スケールが順に大きくなっていくように命名してあります。

出来るだけ今まで使われていた名称や地域(ヨーロッパやUSAなど)を生かすように心がけました。

頑張って作りました!

ただ、練習会などでこの名称を使っても(現状では)誰にも全く通じません。ご注意下さい。

あと、ある技が別の技の名称を冠している、というややこしい事態が発生しているので、今までの常識を一旦捨ててご覧ください。

廿日市市一周

大皿~けん

村一周を名称変更。市町村単位で、特定の場所を使ってみました。けん玉発祥の地、廿日市を採用。

広島県一周

中皿~けん

県一周を名称変更。けん玉発祥の地とされる廿日市市があり、けん玉ワールドカップの開催地でもある広島県を採用。

日本一周

小皿~大皿~けん

ここは名称変更なし。非ダマーにもよく知られている技名である日本一周はそのまま生かした。

ヨーロッパ一周

小皿~大皿~中皿~けん

世界一周を名称変更。ここでいう「ヨーロッパ」は6大州の区分に従った「ヨーロッパ州」のこと。(ヨーロッパ一周という名称は活かしたかった)

北アメリカ一周

小皿~けん~大皿~けん~中皿~けん

ヨーロッパ一周を名称変更。前述の「ヨーロッパ」より面積が広い「北アメリカ(州)」を採用。面積が広い=難しい、に合致。(技名はUSA一周を意識。北米はけん玉がアツいイメージがあるので。)

アジア一周

とんぼ~けん~小皿~けん~大皿~けん~中皿~けん

宇宙一周を名称変更。六大州の中で一番面積の大きい「アジア(州)」を採用。

地球一周

小皿~けん~地球回し~大皿~けん~地球回し~中皿~けん~地球回し

USA一周を名称変更。いくつかの州が集まった惑星「地球」を採用。「世界」ではなく「地球」とすることで、技術革新による”世界”概念の拡大(前述)にも対応し、スケールを惑星レベルに固定した。「地球回しがいっぱい入るから地球一周」と覚えやすい。

太陽系一周

とんぼ~うぐいす~小皿~うぐいす~大皿~うぐいす~中皿~うぐいす

銀河系一周を名称変更。地球が含まれる「太陽系」を採用。

銀河系一周

とんぼ→うぐいす→回転うぐいす→小皿→うぐいす→回転うぐいす→大皿→うぐいす→回転うぐいす→中皿→うぐいす→回転うぐいす→回転谷渡り→回転けん

時の支配者を名称変更。太陽系が含まれる銀河系を採用。

アンドロメダ銀河一周

大皿~けんフリップ小皿~さかおとし~はやて中皿~ダウンスパイク

デンマーク一周を名称変更。個人的に(ここでいう)「銀河系一周」と同じくらいかやや難しいくらいの難易度であると考えたため、銀河系と同じ”銀河”という単位を用い、アンドロメダ銀河を採用した。ちなみに、アンドロメダ銀河は銀河系より大きいと考えられている。


対応表

表にまとめてみました。

現在一般的な技名新一周系技名
村一周廿日市市一周
県一周広島県一周
日本一周日本一周
世界一周ヨーロッパ一周
ヨーロッパ一周北アメリカ一周
宇宙一周アジア一周
USA一周地球一周
銀河系一周太陽系一周
時の支配者銀河系一周
デンマーク一周アンドロメダ銀河一周

思ったこと

一周系トリックの中には、練習会などでオリジナルで作られたものや、特定の地方のダマーが集まって作られたものがあります。それらは、難しいものから簡単なものまで様々あります。

これらに、例えば「東京の人が作ったから東京一周だ!」とか、「美濃けん玉ネットワークで作ったから岐阜一周だ!」と命名していくと、すぐにスケールと難易度のバランスが崩れてしまいます。

そのため、そのようなオリジナルの一周系トリックに名前を付ける場合は、必ず物理的なスケールの大きさを表さない名称にすべきです。例えば、〇〇練習会一周、みたいに。

上記の例では、美濃けん玉ネットワークで作った技を「岐阜一周」ではなく、「みのけん一周*2」と命名すればいいのです。


また、上記で紹介した技以上に難しいが将来ポピュラーになった技については、銀河群、銀河団といった「銀河」以上に大きなスケールの単位を使用することが出来ます。そのため、(それ以上の大きさを表わすことが困難であるという意味で)最後の切り札となる「宇宙一周」という名称をしばらく使わなくてよいです。

この点、現在一般的に使用されている名称の問題点を的確に解消しています。

終わりに

はい、ということで、私が考える新しい一周系トリック名が完成しました。

ぜひ皆さんも、この呼び方を使ってみて下さい。

沢山の人に使われることで、徐々に社会に浸透していくのです。







っえ?何?

タンブリッジウェルズ一周?中百舌鳥一周?新潟一周????

そうだった…

まだけん玉界には大量の一周系トリックが溢れているんだった…

これも是正しないと…






うん?何?日曜一周???  ナニソレ?....






秩序ある一周系の世界を作るのには途方もない時間がかかりそうだ…




おしまい。


脚注

*1:お笑い芸人「バカリズム」氏のネタ、「〇〇に関する案」シリーズをオマージュ。本家では、普段人々が気にしない素朴な疑問について、新しい切り口で考察を加えている。私が個人的に好きなのは「昔話に関する案」(浦島太郎問題)



*2:実は、みのけん一周は実在する。癖強系の一周系トリック。こういった独特な技が誕生するのも、ローカル一周系の楽しさ。