ベグレリをやっていると、たまにこんなことを聞かれることがあります。
「それって、どういう起源をもってるの?」
と。
私は、ベグレリの歴史について日本語で記述したモノを見たことがありませんでした。
たぶん、日本語でベグレリの歴史について解説した文章はいまだかつて存在していないのではないかと思います。
スキルトイプレイヤーたるもの、自分の遊んでいる道具の起源くらい知っておくべき(!?)だろう。
ということで、今回はベグレリの歴史について、私が分かる範囲でまとめてみます。
注意:本記事に書いた情報は、私が情報のウラを取った訳ではありません。あくまで今インターネット上に存在する(主に英語の)情報についてまとめたに過ぎません。したがって、本記事の内容が正しいとは限りません。この点ご了承下さい。(正しいか分からないものを書くな!という意見もあって然るべきと思いますが、現段階で日本語の情報がほとんどないことを考えると、取捨選択するためにも情報を提示することが重要かと思い、本記事を書きました。)
Wikipediaによる情報
困ったときに頼りになる(が正しい情報ばかりとは限らない)Wikipediaでベグレリについて調べてみました。
Wikipedia内に「ベグレリ」というページを発見。
ベグレリ - Wikipedia
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以下、その引用です。
ベグレリ(英語: begleri、ギリシア語: μπεγλέρι)は、短い紐とその両端にある、ビーズと呼ばれる重しで構成されるスキルトイ。指に絡めて回転させるなどといったトリックを習得して遊ぶ。ギリシャ発祥で、ロザリオまたはコンボロイ*1が派生したとされる。コンボロイの紐は輪状で、ビーズが数珠のように十数個通されているのに対し、ベグレリの紐は輪状に結ばれておらず、ビーズが紐の両端に対になって通されているのが特徴。 ベグレリのビーズには半貴石や金属など様々な素材が使われており、形も多種多様である。打楽器であるアサラトに似た形状の物も多いが、ベグレリは指で動かすため、大きさはアサラトに比べるとかなり小さい。 (Wikipedia「ベグレリ」より引用)(強調は引用者)
なるほど。なんかそれらしいことが書かれていますね。
ただし、この情報に根拠は示されておらず、誰が書いたかも分かりません。
もう少し調べてみます。
Beglari Tricksの情報
日本語ではこれ以上ベグレリに関する情報は出てこないと判断し、海外のベグレリデータベースサイトであるBegleri Tricksでベグレリについて調べてみます。
すると、このサイト内に「What is Beglari?」というページが!

What is Begleri? - Begleri Tricks
Begleri is more than just a skill toy: it’s an addiction of the best kind... Read more to learn a short history of the orgins of Begleri
そうそう、まさにそれ!私が求めていたもの!
ということで、ご紹介します。
といっても、情報が英語なので、私が読んで分かった範囲のことを日本語で記しておきます
このようなことが書かれていました。
内容を読んでみると、Begleri Tricksのこのページの「Begleri originated in Greece, 」から「but are much smaller in size.」までの内容は上記で紹介したWikipediaにかかれていたものと酷似していました。
Wikipediaのベグレリに関する情報は、Begleri Tricksの「What is Beglari?」を参考にして作成されたものと推測できます。
Aroundsquareの情報
ベグレリ制作・販売の業界最大手「Aroundsquare」のHPでベグレリの歴史について調べてみると、「Begleri History」という素晴らしいページがあることを発見。
Begleri History
Begleri (Greek: μπεγλέρι) is a traditional skill toy from Greece. It is an adaptation of the Greek rosary or Komboloi worry beads. This page will provide an overview of the development of begleri through history, its relationship to other traditional worry beads, and other factors that have influenced its development.
これまで見た中で最も詳しく書かれています。
一応、例によって要点を日本語でまとめてみます。
が、ベグレリの歴史や発展についてまとめた貴重なページなのでぜひ(翻訳ツールなどを使ってでも)一度直接読んでみることを強くおすすめします。
- ベグレリはギリシャ発祥
- ギリシャの伝統的なworry beads*2であるコンボロイの改良版としてベグレリが誕生した
- コンボロイにも技があったが、紐が輪になっているため、ビーズの位置がずれたり、紐が絡まったりした。そこでよりシンプルな構造のベグレリが誕生した。
より詳しく書いてあったので、以下で簡単にまとめて訳してみます。
ベグレリの歴史はあまり文書化されていないため、現在得られるほとんどの情報は憶測にすぎない。キリスト教正教会の祈るための結ばれたロープである「komboschoini」に由来するという説、スラブの数珠のようなものに由来するという説、コンボロイをより合理的で遊びやすい(使いやすい)よう進化を遂げたものであるとする説など、ベグレリの起源については様々な説がある。
ベグレリ・コンボロイはかつて、ギリシャのManga(反社会勢力や裏社会の集団と言われる)と関わりがあった。
ベグレリの歴史はギリシャ文化と深く関わっているが、ギリシャの政治情勢にも左右された。1960年代には紐の長いベグレリが人気があったが、1967年から1974年の軍事政権の間には危険性があるとして違法化された。その後、紐が短いバージョンの遊びが流行した。しかし、現代のベグレリがギリシャ内外で発展していくと、紐が長いものが再び人気を集め、現在ではほとんどの紐が長いものがほとんどのプレイヤーに好まれている。
このページも、出典や根拠を示していません。ただ、それでもベグレリの起源を(現段階で)一番よく知ることが出来るページであると考えられます。
ここで、軍事政権時代のギリシャで禁止されていたとされる「紐の長いベグレリ」がどの程度の長さなのかが気になりますね…。メテオ*3くらい長いのかな?そんな訳ないか。
紐が長いベグレリが禁止されて「じゃあ短いならいいでしょ?」ということで紐の短いベグレリが流行した、ということなんでしょうか。ここでいう「紐の短いベグレリ」って、今で言うshort game*4くらいってことなんですかね?
色々謎ですが、想像力は掻き立てられます。
まとめ(?)
まとめと言いつつ、あまり全然まとまらない記事になってしまいました。
ベグレリの起源について根拠や出典を提示して解説する本や論文、web上のページなどは(私が探した限り)見つかりませんでした。
文献に残された資料が少ないため、ベグレリの起源は謎が多いものであるということがよく分かりました。
まぁ、起源なんて分からなくても、スキルトイとしては楽しめますからね♪
また「ベグレリの起源って?」って聞かれたら…
「ギリシャ発祥っぽいけど、詳しいことはよく分からないんだよ」
って言うことにしようっと。
おしまい
*1:輪になった紐にいくつかのビーズを通したもの。詳しくはググったりして調べてみてください。ちなみに私が持っているMKUltrasという道具は、コンボロイを振り回して遊ぶために改良したもの。
*2:手慰みとして、また不安を和らげるため・心を落ち着かせるためのものとして用いる数珠のようなもの。
*3ソフトボールくらいの大きさの重り2つが、180~200cmくらいの紐でつながったジャグリング道具。↓こういうの↓
ジャグリングショップMDF (兵庫県 大阪 阪神 尼崎 PanジャグリングショップMDF ディアボロ クリスタル )-メテオ&その他スィング系
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*4:ベグレリの紐の長さにはlong game とshort gameという2つの種類がある。が、現在short gameを遊んでいる人は少ない。

Beginner's Guide Series: Measuring Joiners - Begleri Tricks
String/Joiner length is one of the very first questions slingers will run into when starting their journey, and if you’ve had anyone ask you, you know it’s not always the easiest question to answer. The answer, like most things begleri, is subjective, and your joiner length will almost certainly change as you grow into the […]
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