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自分のけん玉講座活動

ブログ主のなおなりです。

現在私は大学生で、実家を離れて一人暮らしをしているのですが、大学周辺の児童館や小学校、公民館や地域のイベントなどで、「けん玉講座」を担当させていただいています。

ただ、就職の関係で、今年度いっぱいで大学周辺の土地から離れることになります。もちろん呼んでいただいたら伺いたいなとは思っているのですが、今までのようにはできなくなってしまいます。

大学生になってから本格的に始めたけん玉講座活動も、就職を機に一旦の節目を迎えることになると思います。折角の機会なので、ブログで自分のけん玉講座活動について書いておこうと思います。

きっかけ

大学入学にあたり一人暮らしを始めてから、部屋が狭いのもあり家の中で満足にけん玉などの練習ができなくなりました。そのため、地域の公民館などの公共施設を回って施設で練習させてもらえないかお願いして回ることに(断られたりもした…)。その結果、家から15分ほどのところにある青少年施設の会議室をお借りして練習できることに(しかも利用料無料…すごい…)。そんな事があって、しばらくその青少年施設でけん玉などの練習をさせてもらっていました。

何回かそこで練習させてもらっていたら、施設の館長さんと顔なじみになりました。なんと館長さん、自らもマジックをやったりするみたいでスキルトイに親和性を感じ取ってくれたみたいです。

あるとき、館長から一言「ウチの施設の講座でけん玉をやってくれないか」。

ここから、私のけん玉講座活動がスタートしました。

初めての講座から口コミが広がって呼んでいただいたり、けん玉仲間から紹介いただいて呼んでいただいたり、練習会でお会いしたご縁から私の講座活動を知って呼んでいただいたりと、色々なルートを通じて様々な場所で講座を担当させていただきました。

多いときは土日がほとんど講座で埋まる月も。そんな自分のけん玉講座の始まりは、練習会場で出会ったご縁がきっかけでした。

パフォーマンスとの関係

講座活動を始める前から、私はパフォーマンス活動をしていました。小学生の頃からジャグリングの練習をしていて、それを活かした大道芸の真似事みたいなことをやっていたんです(今はやっていません)。

パフォーマンスと講座活動には、共通点もありつつ、ぜんぜん違うところもあります。

パフォーマンスをやっていて講座に活きた点としては、まず人前での立ち振る舞いです。声の張り方、喋るときの間のとり方、体の動かし方などは、人前でのパフォーマンスでの経験が活きています。

一方で、パフォーマンスは自分が練習したものを人に見せればそれで終わりですが、講座では自分が発見したコツなどを人に「伝える」ことが必要な点が異なります。この伝えるというのがすごく難しい。もちろん、パフォーマンスでもその技の凄さを伝えるという技術はあり、それは講座活動における「伝える」に活きてはいます。ただ、自分が遥か昔に出来るようになった技のコツを相手に伝わるように「伝える」というのは講座活動独自のもので、すごく難しかったです。優れた野球選手が優れた野球チーム監督になるとは限らない、みたいなものなのかな?(野球やったことないから分からない…)私は別に優れたスキルトイプレイヤーではないですが、自分ができることを人に伝えるという技術は、経験を積ませていただく中で身につけてきました。

講座で意識していたこと

「楽しい!」「出来た!」「嬉しい!」を第一に

私の講座は「みんなとめけんができるように!」とか「上達するぞ!」という雰囲気は作りませんでした。けん玉は楽しいもの・遊びというのを全面に出して、いかに楽しんでもらうか、喜びや達成感を味わってもらうかというところを意識していました。講座終了後も継続的に楽しんでもらえるように基本的な技は丁寧に教えたりはしますが、集中力の切れてきた頃にけん玉積み木やユニコーンなど遊びの要素をたくさん取り入れ、楽しみながら達成感を感じられるように(そして講座後もけん玉で楽しく遊んでもらえるように)意識していました。

受講者のレベルに応じてプログラムの変更も柔軟に行います。けん玉を全くやったことがない人たち向けには、持ち方や手のせ大皿などステップごとに達成感が感じられるような進行を。ある程度できる人が揃っている講座では、基本事項をさらっと確認して、難しめの技をポンと提示してみんなで取り組むような進行を。というように、みんなが「楽しい!」「出来た!」「嬉しい!」を最大限感じられるように工夫していました。

子どもたちとの関係性

私は、小学生向けの講座を担当させていただくことが多かったです。そのときは、自分(講師)自身が「けん玉がちょっとだけ上手な、遊び仲間の兄ちゃん」というポジションになれるように心がけていました。「先生」ではなく、あくまで仲間の兄ちゃんくらいの立ち位置です。というのも、子どもたちの中には、「先生」という立場の人に気軽に相談しづらいなぁと感じる子もいると思っています(実際自分がそうでした。学校の先生に気軽に相談とかしづらかった…)。「仲間の兄ちゃん」くらいの対等でフレンドリーな関係ならば、ちょっと分からないことがあったり、ちょっと飽きてきて他の遊びを求めているときに、気軽に話しかけられるかなと思い、自分がそういう立ち位置になれるよう気をつけています。

一方で、「先生」と比べ、「仲間の兄ちゃん」はどうしても子どもに舐められやすいということもあります。フレンドリーな関係なのはいいですが、舐められる(下に見られる)と円滑な講座運営が妨げられたり、本当に指導が必要な子に手が回らなかったりということもありえます。そういったところのバランスは常に気をつけています。自分の場合、はじめにきちんと自分の技やパフォーマンスを見せて、興味を惹きつけると同時に「なんかちょっとすごいヤツかもしれない」と思ってもらうことで、いい関係性を保てるよう心がけていました(他にも色々なテクニックがあったのですがここでは省略)。

印象的な現場

どこの講座もとても思い出深いのですが、、、。せっかくなので特に印象深いものをいくつかご紹介。

1つ目は、3年連続で呼んでいただいた小学校です。その小学校は山の奥の方にあり、全校児童が30人ほどの学校です。冬には雪が多く積もるためあまり外で遊べず、冬季に室内でも遊べるものとしてけん玉を取り入れており、1年に一度保護者や地域の方も参加できるイベントでけん玉講座を開催していただいていました。普段から学校でけん玉で遊んでいる上に、毎年呼んでいただいていたので、子どもたちのレベルが年々上がっていました。レベルに合わせて内容を変えながら、継続的に楽しんでもらえるよう工夫するのに苦戦しつつも、楽しく担当させていただいていました。

2つ目は保育園での講座。材木屋さんが母体の保育園で、ヒノキを使ったオリジナルけん玉を作って子どもたちに配布するから、それで遊ぶワークショップをやってほしいというもの。オリジナルけん玉の改善にも少し携わらせていただいたりしました。ワークショップはグループの3園合同、園児100人近くという大規模なもの。自分以外にも3人の講師と協力しながら、園児さんたちが楽しめて、けん玉の基本が伝わるよう実施させていただきました。保育園児に1時間のワークショップというのは集中力が持つのだろうか…と不安でしたが、プログラム編成と、全講師の努力、そして何より園児さんたちのやる気の甲斐あって、飽きずに楽しくワークショップを実施できました。

3つ目は毎月検定会を実施させていただいた子ども館。その子ども館は館長さんがかなりの実力者で、日本けん玉協会のけん玉道の級・段位は館独自で行っていたそう。そのため、館長さんを筆頭に、子どもたちもかなり上手い。協会の方でいうと有段者もいるレベル。しかし私が主に実施するGLOKENけん玉検定では、それまでチャレンジしたこともない技がたくさんあります。それがいい刺激になるからと、1年半ほどの間、毎月(!)講座&検定会を実施させていただきました。子どもたちもある程度実力があるからこそ、できない技を攻略しようという意欲が強く感じられ、なかなかガチな講座でした。すくいけんやダウンスパイクなど、協会の認定では触れる機会のない技に苦戦する様子も見られ、そういった技のアドバイスを通して講師としても鍛えられた現場でした。 (ちなみにその子ども館では、館長がGLOKENけん玉先生の資格を取得し、普段の活動の中にけん玉検定を取り入れていくとのことでした。嬉しい) ガチな中にも遊びの要素を取り入れたいと思い、毎回「けん玉遊びの時間」を設け、技ができなくても遊べる遊びをたくさん試させてもらったのもいい思い出です。

4つ目は、いろいろな人と出会った児童センター。はじめは利用者の小学生向けの講座を担当させていただきましたが、その評判が良かったらしく、なんと近隣施設合同の職員研修会でも講師としてけん玉講座をやらせていただきました。職員向け研修となると、相手は自分より年上の、子どもと接するプロフェッショナルの方々。普段の子ども向け講座とは違い、練習しつつも「子どもにどう伝えたらいいのか」という点に重きを置いてお伝えしました。技だけでなく、積み木や競争の要素も取り入れ、どうやったらけん玉で楽しく遊べるのかという点も意識して、現場でけん玉を使うときの参考になるようにと、普段と違った切り口の講座で、貴重な経験でした。実はその職員向け研修会、近くのフリースクールに通う中学生も参加していたのですが、その中の一人が、私がベグレリでTVに出演していたのを見ていたというのです! 彼女は手先を動かすのが好きらしく、TVで見てベグレリにも興味があったところ、講座の講師がTVに出てた人でびっくりしたとのこと。講座中にベグレリの技をお見せしたり、終了後にはみんなにベグレリを触ってもらったりもしました。けん玉講座にベグレリを持ち出すようになったのは、実はこれがきっかけでした。「自分が今一番ハマっているものを知ってほしい、一人でも興味がある子がいたらその子のためになるかもしれない」と思い、今でもけん玉講座でベグレリの紹介をしています。(ちなみにその中学生、後日弟くんと二人でサンタさんにベグレリをお願いしたそう。クリスマス後に会えていないけど、ベグレリ届いたかな…?)

と、書いていたらいくらでも書けそうでキーボードを叩く指が止まらないのですが、腱鞘炎になったらベグレリ練習に響くので、このあたりにしておきます。ただ、本当にどの現場も今ありありと思い出せるくらいに印象的でした。呼んでいただき、貴重な経験をさせていただいた各機関・施設の方々には感謝しかありません。そして私の講座に参加して、講座を盛り上げていただいた全ての参加者の皆さん、本当にありがとうございました。まだ今年度も数件講座の予定があるので、それらは全力で臨みますし、今後も機会をいただいたら講座活動は続けたいと思っています。



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